読書感想15 ぼくの命は言葉とともにある
今はモザンビークに向かう飛行機の中だ。ついさっき読了した。
盲ろうの大学教授が自身の体験をもとに幸福とは何かを探求した本。たぶん。
様々な本の引用があって読書欲を掻き立てられる。
『夜と霧』のフランクルが提唱する「態度価値」についての紹介があった。
「人間が彼の生命の制限に対していかなる態度をとるかということの中に実現化されるような第三の重要な価値群が存するのである。その可能性の狭隘化に対して人間がいかなる態度をとるかというまさにそのことの中に、新しい独自な価値の領域が開かれるのであり、それは確実に最高の価値にすら属するのである」
個人的に解釈するとつらい状況でどう振る舞うかでその人の真の価値が分かるという意味だ。
詩の紹介があった。吉野弘という人の『生命(いのち)は』という詩だ。P142-145。
生命は
自分自身だけでは完結できないように
つくられているらしい
この本を読んで一番感銘を受けたのがこの部分だなんて我ながらナイーブに過ぎる。
明日死ぬかもしれないし100歳で死ぬかもしれない。いつ死ぬかが分かっていればそれなりの戦略を立てようがあるのに人生のルールは本当に理不尽だと考えていたが最近何か違うなと思うようになってきた。いや前から違うと分かっていた。生きるということの不思議さにびびっているだけだ。一日一日を感謝して生きるしかない。
ぼくの命は言葉とともにある (9歳で失明、18歳で聴力も失ったぼくが東大教授となり、考えてきたこと)
- 作者: 福島智
- 出版社/メーカー: 致知出版社
- 発売日: 2015/05/30
- メディア: 単行本
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