うりおの日記

青年海外協力隊27年度2次隊としてモザンビークのビランクーロという町にいます。職種はコミュニティ開発です。

モザン生活378日目 こっちに来て一年がたった

すごい久しぶりかつ今更なのだがこちらに来て一年がたった。任期が半分過ぎた。

 

記念すべき一年目の日は何をしていたかというと病気で寝ていた。

先々週の火曜日から一昨日の土曜日までずっと寝込んでいた。

熱は40度台を連発し、期間、体温とも過去最高を記録した。自己ベストだ。

 

飛ぶために深めにかがんだということで新たな気持ちで頑張ろうと思っている。気持ちは。

 

身体は若干ふらつくのでゆっくり頑張ろうと思う。

モザン生活 293日目 お店を始めて1か月

以前、協力隊の先輩から「活動の目的は大別して二つだ。仕組み作りか指導者の育成だ。」ということを教えてもらった。両方とも取っ掛かりすら作れておらず厳しいなあとおもっていたのだが、先週「経営者も指導者の一つの種類だな」と思いついて視界が開けた。ぱーってなった。出来ることやりたいことがぐっと増えた。

 

お店を始めてもうだいたい一か月だ。

ジーニャは帳簿がほぼ正確につけられるようになった。

帰国までにジーニャが自分で考えて利益を上げられるところまで持っていく。

 

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モザン生活 282日目 養鶏の原価低減

帳簿の内容がイマイチなので正確な数字が出せないのだが養鶏のランニングコストにおいてエサ代がどうやら大きいらしい。

 

原価低減ということで、自分が住んでいる町の食堂をまわり残飯を安価で買い取りエサの足しにするということを試験的に実施している。

 

「都市部のゴミを農村部で有効活用する仕組み作り」というとボランティアっぽくていい感じに聞こえる。

しかし実際には残飯は都市部でも需要があるのだ。例えば乞食の人が食べるし都市部でも家の敷地内で鶏を飼っている人はいるのでそのエサとしての需要もある。

すでに存在していた残飯市場内の流通経路を変えたというのが正確な記述になる。

 ゼロから価値を作るのって本当に難しいと思う。

 

今のところ順調に鶏の数が増えており40羽を超えた。卵も産まれた。

子どもの写真は鶏の面倒を見てくれている人のお孫さん。行くといつもダッシュで椅子を出してくれる。

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モザン生活 272日目 一緒に店をやっているジーニャ

一緒に店をやっているジーニャは近所に住んでいる。

子どもが3人いる。小1の男の子と4歳の双子の女の子だ。双子ちゃんはとてもかわいい。

子どもの父親は出稼ぎに行ったまま蒸発した。実家は首都にあるのだが実家はすでに手一杯のため帰ってくるなと言われているそうだ。

以前は服屋で働いていたらしいのだが小さい子どもだけで家に置いておけないので辞めて、近所のお宅の掃除や洗濯をして生活をしていた。

4月頃にふとしたきっかけで話すようになりそういう状況が分かった。

 

「じゃあ何か仕事を探そう」ということになってとりあえず配属先の同僚に相談してみた。

結果、全員一致で「お手伝いさんとしてお前が雇え」との意見だった。月に6,000円もあれば雇える。隊員で雇っている例もある。確実に定期的な収入が得られる。でも別にお手伝いさんはいらないし私が帰国したら彼女はまた無職だ。二人で話していくなかでいくつか他の案が出たがどれも子連れで働くには厳しいものだった。

どうしようかなあと思っていたら結局、「私お店やりたい。首都に住んでいた頃、食料品店で働いていたの」「オッケーおもしろそう。じゃあ空き店舗探そうか」ということになった。

 

空き店舗を探して歩いているとき、「来年には子どもを幼稚園に行かせるわ。将来的には車を買うのよ。免許も取るわ!」と彼女は言った。真顔で。

先月子どもの一人が頭を縫うほどのけがをしたとき、病院代の20円がなかった人がそう言っている。すげえわ。

 

幼稚園までは一緒に頑張れる。

 

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モザン生活 266日 お店屋さんをはじめた

近所の人とお店をはじめた。

主に食料品を売る雑貨屋だ。

やっと少しずつ活動の場が出来てきた。

 

正確には明日開店なのだが明日は早朝から首都に行かないといけず立ち会えない。

選挙の投票をするためだ。初めてバスで上京するので時間が読めないが最短で一泊二日かかる(JICA関連の用事だと飛行機のチケットが手配される)。

 

写真は開店準備中のもの

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モザン257日目 養鶏をはじめるにあたっての資金調達方法

要約:養鶏を始めるにあたってポケットマネーを貸し付けたのですが率直にどう思われますか?

 

以前にも書いたが養鶏を始めるにあたってのお金約10万円はポケットマネーを貸し付けるという形でまかなった。この判断はかなり悩んだ。

案は4つあった。

・生産者グループを作り定期的に少額を供出させて事業資金を貯める

農村開発ではこれが王道だ。普通はこれになる。ただ時間がかかる。グループを作る→お金が少し貯まる→ボランティアが帰る→活動が停まる。になる見込みが高い。奇跡的に配属先を巻き込めてボランティア帰国後も活動が続く可能性はゼロではないが私の任期中に形にすることは不可能なので不採用。

・公的機関の低利融資を利用する

そういうのが何かしらあるだろうと思って同僚に聞いたら存在した。しかし年一回の申込み締め切りが終わった直後だったのであきらめる。

・現地業務費(JICAのお金)を使う

お金をあげる。一概に悪いとは断言できないが採用したくない。活動の成功とは対象者が自主的に考え行動しボランティア帰国後も継続することだと思っている。成否をわける鍵は「活動を自分事として捉えさせることができるかどうか」の一点だ。よく考えたら(よく考えなくても)、対象者のための収入向上だったり生活改善だから自分事なのは当然なのだが援助やボランティアの活動においてはこれがとても難しい。援助、ボランティアの変なところだと思う。お金やモノをあげることは相手の自主性を著しく損なう場合が多いと思う。自分事として捉えることを邪魔する。

・活動経費を貸し付ける

今回はこれを採用した。要はポケットマネーを貸した。借用書も書かせた。しょせん単なる紙だが。ボランティア活動ではあまり聞かない。

初代の隊員が任期終了間際に、余った活動経費を雇っていた警備員に与えてバーを開業させたという話しから着想を得た。任期初期から計画的に投資すればより有効に活用できるのではなかろうかと。

この方法だと対象者にとってもボランティアにとっても自分事なのでお互い活動に真剣にならざるを得ない。必要に応じて厳しいことも言える。資金調達のスピードが速い。お金を貸すとだいたい持ち逃げされて終わるのだがすでに二代の隊員と付き合っていることからそれはなさそうだと判断した。失敗しても自分が損するだけだ。

批判や意見などぜひ頂きたい。他のアイデアなどもぜひ欲しい。

 

なお今週、調整員さん(ボランティアのまとめ役。JICAの人)が配属先とボランティアとの三者面談に来られた際、状況を報告し見解を求めた(事後報告)。

 

「健康と安全にさえ気を付けてもらえればあとは思うままに全力で頑張ってください!」

とのことだった。多分、調整員さん間で温度差みたいなものはあると思う。ともかく私の担当はそういう見解だった。

仮に事前に相談してNGを喰らった場合どうしただろうか。あくまで仮定だが黙って同じことをやっていた気がする。だって養鶏やってみたかったし。

 

写真は調整員さんが来られた際、鶏小屋を見学してもらった時のもの。調整員さん、Parafina、私、JICAローカルスタッフ。

太ってみえるのは腹がでているからではない。首から下げたIDカード入れが服の中で隙間を作っているせいだ。

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モザン生活266日目 なぜ彼と養鶏をすることになったのか

Parafinaと何かしようということになって現状の把握がてらしばらく一緒に農作業やら食事やらをご一緒させてもらった。主に経済状況と過去のボランティアとの活動が彼にどう影響しているのかを知ろうとした。

 

途上国の特に農村地域の貧困度合を外部者が知るのは非常に難しい。都市部では食事内容に分かりやすく反映されるが農村部では食料を自給している場合が多いので明確な基準にならない。動物性蛋白質が不足している(肉を食べる機会が少ない)とはいえるだろうがそれはほとんど全員がそうらしいので指標にならない。農地の規模や肥沃度で測る方法もあるのかもしれないが農学の知識はないので測ることができない。過去の農作物の収量、販売記録など当然なくいざというときに頼れる親族を全て調査して云々というのも文化人類学者ではないのであきらめた。ざっくり見解ではParafinaは決して貧乏ではない。ポル語初学者にも分かりやすいポル語を使い、相手の様子を見ながら理解できていないと感じると言葉を変えて伝えようとする姿勢や子どもが11人いて何人かを他地域の学校に行かせていることからそう判断した。

ただ金持ちというわけではなかった。現金は基本ないように見えた。生活の場に奢侈品は見当たらなかった。一緒に活動するならぜひ本当に貧しい人としたいという気持ちもなくはなかったがまずはParafinaの「お金や物ではなく知識や経験を学びたい」という姿勢をありがたく受け入れて活動させてもらおうと思った(今は本当に貧しい人、言葉を変えると時間と体力に余裕がなくて新しい経験に馴れていない人(表現が厳しいが学習能力が低い人)と収入向上活動が出来るのか疑問に思っている。お金儲けというより社会福祉の出番ではないかと)。

 

過去二代のボランティアはネリカ米と養蜂活動を実施した。

ネリカ米は天候不順で失敗し養蜂はまだ収入に結びついていなかった。

 

ネリカ米

状況

収穫できたことはあったもののその後天候不順で失敗。

効果

水源獲得のために現地業務費で掘った井戸が今は野菜栽培に使われている。

養蜂

状況

巣箱が設置されている。Parafinaが養蜂の技術を習得している様子はなく放置している状態。放置された巣箱から今年二月に始めてハチミツがとれて今は販売に苦労している。新しい巣箱、ハチミツ販売用容器の追加購入はParafina本人には出来ない。養蜂について知識のあるボランティアがいないと成立しない。

効果

巣箱はあるので放置していてもハチミツはとれる。

・配属先職員と一緒に活動していないためボランティアがいない期間は活動が止まる(私も農業分野ではまだ配属先職員を巻き込めていない)。

・二代に渡って築かれたParafinaとの信頼関係はとてもありがたい。しかし彼の私に対する敬意が純粋な敬意なのかまたモノやカネ(井戸や巣箱)を提供してほしいという下心によるものなのかの判断は難しい。恐らく両方なのだろうがそれぞれの割合の見極めができない。

 

過去事例から下記のようなことを考えた。

二年間で確実に継続性の高い収入源を確保させるためには、

・天候に左右されにくい活動がいい(異常気象でもなんらかの収穫ができるもの)。

・Parafinaにとって新奇性の高い技術や機材が必要な活動は止めた方がいい。生産、加工、販売、代金回収まで農家にある程度のノウハウがないと二年間で完結しない(配属先を巻き込めていないので二年で完結しないと途切れてしまう)。最悪ボランティアがその場にいなくても彼だけで働けるものが望ましい

・年に数回以上トライアンドエラーが出来る活動がいい。年一回の収穫とかだとギャンブル性が高すぎる

上記の条件でどんなのがあるかなあと考えながらParafinaと農作業などをしていた。

最終的にParafinaに「何がしたい?」と聞いたところ「養鶏がしたい」とのことだったので「じゃあそれをやろう」ということになった。一応上記条件に当てはまっている。

それが出会ってから1か月目ぐらいだった。

 

先輩方の経験は本当に勉強になる。

 

それにしても長いな。